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前回に続き時計メーカーの動きについて、書いてみます。
セイコーHDは、昨年9月に新モデルを発売したGPS機能付きの「アストロン」が好評です。販売好調を受け、来期には、20万円以上の高級品の販売数を3割増やす計画です。最高級ブランド、「グランドセイコー」については、30万~50万円の限定モデルを投入したり、婚礼向けモデルを展開したりして品揃えを充実させます。欧州市場では、英国ロンドンにデザイン拠点を稼働させ、市場への密着を図る方針です。
シチズンHDは、国内の腕時計に加え、北米や欧州市場でも堅調です。生産能力の増強では、約30億円を投じて新工場を長野県内に建設し、2016年に稼働させる計画です。11月には米ニューヨークのタイムズ・スクエアに、約120平方メートル規模の旗艦店をオープンしました。2008年の「ブローバ」買収に続き、北米市場への進出拡大も狙っています。当面、北米市場では200~800ドルの中価格帯腕時計の販売を狙っていますが、シチズンブランドの販売は3期連続で過去最高を更新中で、目標通りとなっています。北米市場の販売目標は、19/3期に600億円と設定しています。
カシオ計算機も、7月に発売した「Gショック」がGPSと標準電波の両方を受信できることで支持されているほか、10月下旬に発売した「オシアナス」も好調で、従来品の2倍の勢いで売れています。需要増加に応えるため、主力の山形工場での高級品の生産能力を7割増強し、月1万本体制とします。16/3期は、腕時計の駆動装置(ムーブメント)で6万円以上の製品の生産能力を倍増させる予定です。中国からの訪日客だけでなく、中国本国の市場にも、「Gショック」など若者向けに続き、高級機「オシアナス」を投入します。また、ブルートゥース(近距離無線通信)でスマートフォン(スマホ)と連携する腕時計製品も発表しています。
このように、各社とも訪日客の増加を待つという「待ち」の姿勢だけでなく、意欲的な海外進出という「攻め」の経営が目立っています。高級時計の代名詞であるスイス勢は、折からの通貨急騰の影響をまぬがれず、製品の値上げを余儀なくされています。日本勢にとっては、シェアを拡大する好機といえるでしょう。
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絆アセットマネジメント株式会社
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