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絆アセットマネジメント 代表取締役 小沼正則
◇コロナ禍世界を席巻
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞が、世界の金融市場に大きな動揺を与えています。
3月16日のNY市場ではダウ工業株が2997ドル安と過去最大の下落幅を記録、その後も不安定な動きが続き3月23日には1万8591ドルと、2月12日に付けた史上最高値2万9551ドルから実に40%近い大暴落となってしまいました。
世界経済はコロナウィルスによって、その本質的脅威(感染拡大、致死率)とは別の次元の脅威、つまり世界中の観光、交通、外食などの需要の蒸発、経営危機、雇用不安という経済危機に進化してしまいました。経済のサービス化が言われて久しいですが、米国のGDPの約7割が、日本でも約6割が個人消費です。自粛が及ぼす経済への打撃はかつてない規模となり、危機が非製造業から製造業へと伝播する中、経済は一層縮小均衡に陥り、あたかも世界大不況の道を歩み始めてしまったようです。
◇各国とも財政支出拡大で足並みを揃える
一方、この危機に際し各国政府は、かつてない規模の財政支出を予定しています。米国では2.2兆ドル(GDP比10%)の支出が決定し、さらに第2弾2兆ドルのインフラ投資が計画されています。財政規律に厳しいドイツでも7560億ユーロ(GDP比20%)の金融・財政支援のパッケージを打ち出しました。マスク2枚と揶揄された日本政府も、この事態に総額108兆円(GDP比20%)の経済対策を閣議決定しました。納税や社会保険の支払い猶予26兆円を充てるなど、水増しのようなものもありますが、危機への対応ということで世界各国は足並みを揃えたことになります。
こうしたことを好感して世界の株価は戻り歩調を強めだしました。NYダウは3月23日1万8591ドルから4月7日には2万2653ドルまで回復、焦土と化しほぼ半値水準まで売り叩かれたイタリアの株価指数も底値からは17%ほど上昇してきました。日本も1万7000円割れ水準からようやく1万9000円レベルを回復しています。もちろん、経済指標や業績の悪化が鮮明となってくるのはこれからが本番で、二番底懸念もありますが、少し落ち着いてきたのも事実だと思います。
◇異常値続出で長期的にはチャンス到来か!?
株価やREIT(不動産投信)の暴落により、指標面では異常ともいえる割安を示す数値が出てきました。日経平均ベースでの配当利回りは3%近くに達し(100万円の投資で配当が3万円)、純資産と株価の関係を見たPBRは0.8倍と日本株式会社の解散価値を20%下回る水準まで下落してしまいました。またリートに至ってはホテルや商業施設の閉鎖などを嫌気する格好で、株式を上回る下落となりほぼ7年分の値上がりを一か月で吹き飛ばす事態(チャート参照)となってしまいました。しかし、これは地銀の投げなどの需給要因も大きく、予想分配金利回り6%水準は実にバーゲンハンティングに相応し水準と考えられます。
世界の株式も魅力的な水準にあると思います。危機真っ只中ではありますが、そろそろ紀元前BC(Before Corona)から、紀元後AC(After Corona)への世界に思い祖を馳せる時期と判断します。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
ほぼ7年分の上昇を吹き飛ばした東証リート指数