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絆アセットマネジメント株式会社代表取締役IFA 小沼正則氏
聞き手:平 行秀(アドバイザーナビ株式会社代表取締役社長)
チャートブックの編集者から独立してIFA法人を立ち上げた小沼さん。なぜ編集者から金融のプレイヤーに転じようと思ったのか、絆アセットマネジメントを通じてどのようなビジネスを広げたいと思っていらっしゃるのかなどについて話を伺いました。
まずキャリアから教えていただけますか。
小沼もともとゴールデンチャート社というチャートブックを発行している会社の編集部で働いていました。そこから証券評論の世界に入って、ラジオ番組で相場の解説をしたり、週刊誌の株式コーナーに寄稿したりしていました。 ただ、評論活動というのは自分がひたすら情報を発信するだけですから、投資家の意思決定にまで踏み込むことが出来ず、そこに限界を感じたのは事実です。それで2000年にファイナンシャルプランナーの資格を取得して、お客様の資産管理を含むサービスを提供しようと思っていたところに、米国のLPLがLPL日本証券を設立して、金融商品仲介業を展開し始めました。 私はLPL日本証券の第1期生として金融商品仲介業の世界に入り、2000年から2006年までは個人事業主としてIFA業務に携わった後、法人化して現在に至っています。
社名の由来を教えて下さい。
小沼 実家が栃木県で、今も本社を栃木県に置いているので、トチノキ科に掛けてマロニエアセットマネジメントなども候補として考えたのですが、社名に「絆」を入れたのは、投資という行為を通じて生まれる絆をイメージしたからです。 投資というと、恐らく多くの方は儲かった、損したということしかイメージできないと思うのですが、実際には投資家が株式に投資することを通じて企業は資金調達ができ、その調達した資金で企業は設備投資や研究開発、人材投資などを行い、その結果として売上や利益が伸び、配当金や株価の値上がり益として投資家に利益が還元されていくという流れがあり、そこに企業と投資家の絆が生まれていきます。 逆に、その絆が無かったら企業は成長できず、日本の経済発展もありません。そのくらい大事なものなのだという意味を込めて、絆アセットマネジメントという社名をつけました。
業務内容はどのようになっていますか。
小沼 起業したばかりの頃は、金融商品仲介業だけでは収益基盤が弱かったので、先ほど申し上げたような証券評論を行いつつ、何とか会社を運営していたのですが、今は金融商品仲介業が売上の9割を占めていて、残りの1割を保険の代理店業務から得ています。 起業したばかりの時から、いずれ証券評論を行わなくても、金融商品仲介業で食べていけると思ってはいましたが、その通りになりました。そういう意味では、金融商品仲介業そのものが世間に受け入れられてきたという印象を強くしています。
小沼 お客様の人数的には資産形成層が中心です。1000名のうち800名は資産形成層で、残りが富裕層というイメージですね。資産形成層の方は30代が中心で、その方たちには毎月3、4万円程度の積立投資をお勧めしています。 また富裕層の方には、投資信託の積立よりもグローバルアセットアロケーションをはじめとして、富裕層の方が興味を持ちそうな商品を探して提案差し上げています。
お客様はどのようにして開拓されているのですか。
小沼 私がさまざまな経済団体に所属しており、そこで経営者の方とお会いする機会があるので、その人間関係からお客様になっていただいた方もいらっしゃるのですが、それだけでは限界があるので、セミナーを企画してそこからお客様になっていただく方もいらっしゃいます。特に、「2000万円問題」以降は積立投資に関心を持たれる方が増えましたね。 あと、企業経営者は福利厚生の観点から、従業員の資産形成にもある程度、責任を持つべきだと思うので、企業セミナーを開催して従業員の方たちに参加してもらい、そこからお客様になっていただいたり、大手住宅メーカーと一緒に、住宅取得に際してのお金の問題に関する相談業務を請け負ったりして、お客様になっていただいています。
IFAの採用に際して、こういう人と一緒に働きたいという希望はありますか。
小沼 お客様にとっては命の次に大事なお金を扱う仕事ですから、単にスキルが高いとか、才があるというだけでは駄目だと思うのです。才よりも徳ですね。一生涯、お客様に寄り添えるような人でなければ、このビジネスを続けることは出来ないと思います。その意味では、お客様から信頼される人徳を持った人と一緒に働きたいと思います。 金融業界のさまざまな不祥事は、やはり過度なノルマによる特定の商品推奨に根差しています。金融業界で働いている人でも心ある人は、不祥事を招きがちな今の金融業界のビジネスモデルに対して疑問を抱いていて、もっと誠意を持ってお客様に対峙したいと考えています。そういう人を一人でも多く採用したいですね。
これからの金融業界はどうなると思いますか。
小沼 日本の金融は米国の20年遅れくらいでしょうか。そう考えると、米国でIFAが増えたのはリーマンショック後くらいからなので、これからいよいよ日本でもIFAに対する認知度が上がって、証券人口に占めるIFAの数が増えていくのだと思います。これまでは大手金融機関がブランド力でお客様を集めていましたが、そういう時代ではなくなるでしょう。規模は小さくても、信頼できる金融仲介業者と取引したいというニーズが増えていくと思います。
IFAに転職したいと考えている人へのメッセージをお願いします。
小沼 私は20年以上も前からこの仕事に携わってきましたが、この間、まるで間に岩盤があるかのように、貯蓄から資産形成への流れが出来ませんでした。 でも、ここ数年、貯蓄から資産形成への動きが劇的に加速しようとしているのを実感します。そういう意味で、IFAを取り巻く環境はフォローの風が吹いていますし、大きな会社のブランドではなく、個人のブランドで活躍できる素地も整いつつあるので、これを機に、IFAにチャレンジして欲しいと思います。
ありがとうございました。
掲載記事:アドバイザーナビ株式会社サイトの掲載